
美術の先生ってどんなお仕事をするの?
どこに進学すればいいの?

大学に進学して教員免許を取ってから教員採用試験に合格する必要があります。
仕事内容は教科指導と学級運営、部活や行事の役割もありますね…
ごきげんよう、紫藤ひめり(@come2traveling)です。
この記事を読めば、美術教師の仕事内容、必要な資格、美術教師のなり方について知ることができます。
教育学部卒で、美術の教員免許を持つイラストレーター、紫藤ひめりが簡単に解説をしていきます。
ちなみにこのテーマは一度書いているのですが、補足としてこちらで説明をしています。
美術教師になるための情報により特化した内容となっていますので、ぜひご覧ください。
前回は主に教員免許の取得方法に特化した記事となっていますので、こちらもぜひ。

美術教師の仕事内容
まずは、美術の先生がどのようなお仕事をしているのかについて確認していこうと思います。
教科指導
美術の先生は中学校や高校で生徒に美術の授業を指導することが主なお仕事です。
絵画のみならず、彫刻、工芸、デザイン、鑑賞、美術史など、幅広い領域を指導します。
また、生徒に分かりやすい授業づくりと並行して教材研究、準備をしていく必要もあります。
美術はとくに画材等使用する教材が多く、準備が忙しい科目とも言えます。
教材研究
授業のつくり方は通常、学年ごとのシラバス(授業の年間計画)に沿って授業を進めていきます。
美術の授業はその計画に沿りつつ、自分が教えたいと思う内容で目標を達成できればいいため、比較的自由に授業をつくることができます。
ですので教員ごとに授業内容が大きく異なり、立体作品やポスターなどデザイン性の高いものなど、教師の得意分野を取り入れたりその学校に必要な内容を組み込んだりと多様に調整ができるのです。

その自由な点を活かして理科や国語などの要素を取り入れた教科をまたぐ授業をつくることも可能です。
授業自体は、生徒に知識や技法を教えることがメインとなりますが、美術の教師自身はその生徒の制作の様子や作品を通して生徒の気持ちをくみ取る授業づくりを意識しています。
美術の授業の本質は、生徒の内面を引き出すこともあるといった点から心理的な意味合いが強い科目ともいえるのです。
学級運営
基本、他の科目の先生方と同様にクラスの担任や副担任として学級を運営していきます。
学級内でトラブルがあればその解決に向けた指導をしますし、高学年になるにつれて進路指導も行っていきます。
どのような学級運営をするのかは人それぞれですが、先生によってはおたよりやクラス掲示などに力を注ぐ方もいらっしゃいます。

ちなみに私も保護者に子どもの様子をお伝えしたくて『おたよりガチ勢』と言われるほど、おたよりづくりに気合を入れていました。
また、教える科目も美術だけではなく、学活や道徳の指導もクラス担任が行うため、その美術以外の教材研究も必要になっていきます。
部活の顧問・行事の役員・外部との連携等
そのほか、美術部の顧問や文化祭の役員等を任されることもあります。
必要であれば、外部の講師や機関をお招きして技術の指導や運営の補助をお願いすることもあります。

私が中学生の頃は美術の先生が体育祭の応援パネルの審査員や準備、運営を任されていました。
美術教師になるために必要な資格
ここでは、美術の先生になるために必要な資格と注意点をご紹介します。
中学か高校の「美術」の教員免許が必要
志望する校種の教員免許が必要となります。
美術の免許を取得するには、大学や通信教育に進学し、指定の科目を履修することが必須です。
小学校で図工を教えたい場合
小学校は、一人の教師がすべての科目を教えるため、図画工作のみの免許はありません。
小学校で図画工作を教えたい場合はすべての教科を一通り学んで小学校の教員免許を取得する必要があります。
小学校の免許は教育学部で取得できます。
中学・高校の免許と違って芸術を扱う学校では取得できない場合が多いです。
美術を教えたいけど校種を迷っている方はまず教育学部に進学して、美術と小学校の免許を同時進行で取得することをオススメします。
実際紫藤は小学校、中学校両方の免許を取得しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

美術教師になるための進路方法
ここでは、具体的な進路の進め方と考え方についてご紹介します。
大学に進学する
美術の免許は中学校が一種免許と二種免許と分かれているので、高校含めて3種類の免許があるということになります。
芸術を学ぶことに特化した美大や芸大、教員になることに特化した教育学部どちらに進学しても中学校、高校の美術の免許は取得できます。
美大や芸大ではより専門的な技法を学ぶことができるため、技術の専門性や指導力が身につけられると思います。
しかしあくまでも芸術を学ぶことがメインとなるため、学校によっては中学が二種免許しか取れない、といったカリキュラムの大学もあります。教員免許の取得を視野に入れている場合は取得できる免許を調べた上で進学しましょう。
教育学部の場合は教師の仕事、指導法や教育心理等を専門的に指導してもらえるため、教員としての資質が身につくと思います。
さらに、美術の科目と並行して小学校や特別支援学校、美術以外の他教科の免許も取得できる場合がほとんどです。
様々な種類の教員免許を取得していると教員採用試験で有利に立てることがあるため、絶対教師になりたい方は教育学部への進学をオススメします。
教員採用試験の加点についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

教員採用試験に合格する
美術の免許を取得したら先生になれるというわけではありません。
あくまでも「教員採用試験を受験する権利」を得た状態なのです。
教員採用試験に合格すること自体、難易度が高いのですが、美術の教師の場合はそもそもの空きがないため、さらに合格が難しいといえるでしょう。
どうしても教師になりたい方は講師として経験を積むこともオススメです。
教員採用試験・講師登録についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

まとめ
いかがでしたか?
美術の教師は生徒の作品、そして生徒自身と全力で向き合い、ともに成長していくことができます。
他の教科では中々できない、生徒の考え方や本質を可視化させていくことが美術の授業の魅力的であり、美術教師に求められている技量でしょう。
最後にまとめをして美術教師の進路、仕事内容の理解を深めていきましょう。
・美術教師の仕事内容は教科指導、学級運営、部活の顧問など、多岐にわたる。
・美術の授業は作品を通して生徒の気持ちをくみ取ることができるもの。
・美術教師になるにはまず美術の免許が必要。
・美術教師になるには大学への進学がほぼ必須だが、技量を磨くか、教員の資質を高めるかで進路先を考える必要がある。
・教員採用試験に合格する必要がある。
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それでは。