教育学部に興味があるけど実際忙しさはどうなの?
ごきげんよう、紫藤ひめり(@come2traveling)です。
上記の疑問、お答えします。
実際教育学部は忙しいのですが、一体何が忙しいのかについて、教育学部卒業のイラストレーター紫藤ひめりが教育学部の忙しさについて解説します。
この記事を読めば教育学部に入学して4年間で何をするのか、どれくらい忙しいのかが分かります。
教育学部への進学を検討している方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
教育学部はきつい?
ここでまず結論を。
・教育学部は大きな2つの実習が大変さを感じる。
・教員採用試験を受ける予定ならば副免許の勉強と実習にも行かなければならない。
教育学部は教育に関する知識はもちろんのこと、人との関わりも重視しているため、交流や人前で実演するといったアクティブな授業内容が多いです。
そのため、実習だけでなく日々の授業内容の負担も大きいことから、教育学部が忙しいと実感することが多いのです。
私は元々人前で発表することは得意ではないため、きつくてしんどかった記憶しかありません。
さて、教育学部が忙しい理由をもっと詳しく見ていきましょう。
学科によって忙しさは全く違う
正直、同じ教育学部でも学科によって忙しさは大きく違いました。
教育学部生の中でもゆっくり通学してバイトをする余裕もある人もいればそんな余裕もない人もいるのです。
その差を解説します。
実技学科が大変
ここでいう実技学科とは音楽や美術などの教員免許を取得する学科のことです。
この学科にいる学生は自由な時間がほぼ無くなります。
それは、「実技の腕を磨かなければならない」からです。
音楽科であれば課題や定期的なコンサートに向けての練習があり、美術科であれば課題や展覧会に向けての制作があるため、日々の授業と並行して進めていかなければなりません。
芸大と同じような日々の作業に加えて、専門性を高める理論や、教員としての指導法を学んでいくことになるため、教育学部内の他の学科よりも忙しくなるのです。
小学校免許取得が大変
小学校と中学校、どちらの免許が取りやすいかと言うと、圧倒的に中学校です。
どちらも発達心理や道徳などの教職についての科目は学びますが、専門科目については小学校の方が圧倒的に学ばなければならない数が多いからです。
中学校は言ってしまえば自分たちが所属する学科の専門科目だけを極めれば卒業ができます。
しかし、小学校は全教科を指導しなければならないため、全教科の指導法や基礎的な知識を学んでいく必要があるのです。
また、授業の負担も大きく違います。
中学校の場合は、自分たちの指導教員が専門的な授業をしてくださるため、質問がしやすい、課題の量などを若干調整してくれるといった、ラッキーなことが多いです。
一緒に授業を受けている学生も同じ学科の同期や先輩、後輩なので、お互い助け合える点もメリットです。
しかし小学校の場合は、それぞれの学科の教員からの指導になるので、初対面で質問しにくい、研究室が分からないといったことが多々あります。もちろん各教科で様々な課題が出るので、毎日締め切りがある!なんて週もあります。
周りが全員知らない学科の後輩だらけでぼっち授業なんてこともしょっちゅうありました。
結局は教員次第
これは教育学部に限った話ではないですが、授業内容や卒論等の負担感は、指導する教員によりけりなのが結局のところ。
もともと忙しい教育学部ですが、教員の指導方法によってさらに忙しくなるかどうかは小中学校問わず運しだいなのです。
教育学部は何が大変で忙しい?
さて、教育学部の学科内での忙しさに差があることが分かったところでしょう。
ここでは教育学部全体に共通している「忙しさを感じるところ」をご紹介します。
介護等体験
教育学部と言えば「教育実習」が印象的ではないでしょうか。
実際、3年生での教育実習が一番の山場ですし、教育実習に向けて1年生から準備をしているといっても過言ではありません。介護等体験もその一つです。
介護等体験は2年生で行く実習で、福祉施設や特別支援学校などで1週間ほど介護等の勉強をします。
なぜ教育学部なのに介護実習みたいなことをするの?
理由は、平成10年4月から始まった「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律」に義務教育(小中学校)の教員免許状を取得するには「介護等の体験」をすることが義務づけられたからです。
「介護等の体験」を通して、「人の心の痛みがわかる」「価値観の相違を認められる」人間に育むことを目的としています。
しかし、新型コロナウイルスが流行したことによって、令和3年4月13日に「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(令和3年文部科学省令第 24 号)が公布、施行され、介護等体験も変化しつつあります。
参考 小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令等の施行について(通知)
教育実習
学校によって異なりますが、教育実習は3年生以上で前期と後期に1回ずつ、または1か月間連続で行います。
慣れない環境と、大学生活とは比べ物にならない多忙さに心身ともに疲れます。
帰宅後も日誌を書いたり、授業や教材を作ったりするので、ゆっくり休む時間はほとんどありません。
それでも慣れない環境で授業をしたり生徒と関わってみたりと、実際に先生として過ごす日々は大変だけど忘れられない経験となるでしょう。
体感としては小学校が最も疲れましたね。
出前授業
教育学部は指導力や臨機応変な対応力を身に付けるために、座学で知識を身に付けるよりは模擬授業や発表などの実践的な内容が多いです。
教育実習以外でも、実際に学校に行って一回きりの授業をしたり(出前授業)、ワークショップを開催して不特定多数の人に教えたりといった、実際に人と関わって指導方法を学びます。
実際に授業をする前に、当日に向けての準備時間も必要になるので負担が大きいでしょう。
また、数人グループで授業をすることもあり、その場合はそれぞれのスケジュールを調整して空いている時間に集まったり、役割分担をして作業を進めていったりします。グループワークが苦手な人には苦に感じてしまうかもしれません。
授業外でも準備に時間がとられるため大変ですが、経験を通して分かりやすい伝え方や興味を引き付ける方法などを学ぶことができます。
研究授業(1)
研究授業には2つの意味があるためそれぞれご紹介します。
1つ目の意味は偉大な先生方の前で授業をすることです。
教育実習では教授とその学校の校長や教頭、空いている先生方、実習生全員などなど…教室がぎゅうぎゅうになるほどの参観者が並びます。
私は立候補しなかったので研究授業をしたことはないですが、5人くらいの先生、教授の前で研究授業をしたことがあります。小規模の参観でもあの緊張は忘れられません。
その後は授業のダメ出しの嵐。授業者もつらいですが、参観者も全員が発表しなければならないため、実習生にはつらいです。
授業者のつらい気持ちも分かるし、自分も上手にできないのにダメ出しなんてできないよ…
当時の私はそう思っていましたが、『授業者の今後のため』と思って発言していました。
研究授業(2)
2つ目の意味は自分の研究のために出前授業をすることです。
主に卒論で研究している内容や考えていることを、実際に授業をして結果を明らかにします。
協力校や教授、大学に何度も打診をし、許可が出てから準備を進めるのですが、審査も含めて3か月くらいかけて準備をしていくため、スケジュール調整が難しいです。
また、卒論と並行しながらの準備となるのであまりの忙しさに焦りや不安が強くなります。
書類提出などの手続きや厳しい審査は大変でしたが、研究授業をすれば卒論を爆速で書き進められるので、やって正解ではありました。
教員採用試験を受けるなら副免は必須
教員志望で、採用試験を受けようと考えている場合、自分の主専攻の免許以外に副免許はほぼ必須です。
なぜなら複数の免許を持っていることは教員採用試験の加点対象になるからです。
特に、試験を受ける自治体にもよりますが、他校種の免許を持っていると大きく加点される場合が高いので、小学校、中学校、高校と取れる免許は総取りしておきましょう。
となると、教育実習は3年生と4年生で2回行かなければならなくなりますし、副免許を取るための勉強量も増えます。
負担が多くなりますので、副免許も取得する場合は計画的に準備を進めていきましょう。
教師になる方法についてはこちらで詳しく解説をしています。
まとめ
教育学部の忙しさ、イメージできましたか?
余談ですが紫藤ひめりの学生時代はこちら。
・小学校免許所得を目指す
・副免で美術を取り、実技三昧
・出前授業や発表などのアクティブな授業内容がメイン
まさに忙しいポイント集合体でしたね…
・教育学部は他学部と比べると忙しいが、学科によっては負担を軽くすることはできる。
・教育学部は大きく2つの実習が大変さを感じる。
・教員採用試験を受ける予定ならば副免許の勉強と実習にも行かなければならない。
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それでは。